Classici giapponesi con furigana
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うみがめ
異妖の怪談集 岡本綺堂伝奇小説集 其ノ二
岡本 綺堂
Leggi 異妖の怪談集 岡本綺堂伝奇小説集 其ノ二 (うみがめ) di 岡本 綺堂 (おかもときどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 144.507 caratteri · 291 schermate
ながら、無言で麹町通りの半分以上を通り過ぎると、山岸はまた俄かに立ちどまりました。
「須田君、うなぎを食いませんか。」
「え。」
わたしは山岸の顔をみました。たった今、四谷で茶を飲んだばかりで、又すぐにここで鰻を食おうというのは少しく変だと思っていると、それを察したように彼は言いました。
「君は家で夕飯を食ったでしょうが、わたしは午後に出たぎりで、実はまだ夕飯を食わないんですよ。あのコーヒー店で何か食おうと思ったが、ごたごたしているので止めて来たんです。」
なるほど彼は午後から外出していたのです。それでまだ夕飯を食わずにいるのでは、四谷で西洋菓子を二つぐらい食ったのでは腹の虫が承知しまいと察せられました。それにしても、鰻を食うのは贅沢です。いや、金廻りのいい彼としては別に不思議はないかも知れませんが、われわれのような学生に取っては少しく贅沢です。今日では方々の食堂で鰻を安く食わせますが、その頃のうなぎは高いものと決まっていました。殊に山岸がこれからはいろうとする鰻屋は、ここらでも上等の店でしたから、わたしは遠慮しました。
「それじゃあ、あなたひとりで食べていらっしゃい。