Classici giapponesi con furigana
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うみがめ
異妖の怪談集 岡本綺堂伝奇小説集 其ノ二
岡本 綺堂
Leggi 異妖の怪談集 岡本綺堂伝奇小説集 其ノ二 (うみがめ) di 岡本 綺堂 (おかもときどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 144.507 caratteri · 291 schermate
その頃わたしは神田に下宿していたんですが、何分にも周囲がそうぞうしくって、いよいよ神経を苛立たせるばかりだと思ったので、さらに小石川の方へ転宿して、その翌年に第二回の試験を受けると、これも同じ結果に終りました。わたしの机の前には、やはり髪の白い女の姿があらわれて、わたしが書いている紙の上をじっと覗いているんです。畜生、又来たかと思っても、それに対抗するだけの勇気がないので、又もや眼が眩んで、頭がぼんやりして、なんだか夢のような心持になって……。結局めちゃめちゃの答案を提出して……。それでも私はまだ悲観しませんでした。やはり神経衰弱が祟っているんだと思って、それから三月ほども湘南地方に転地して、唯ぶらぶら遊んでいると、頭の具合もすっかり好くなったらしいので、東京へ帰って又もや下宿をかえました。それが現在の堀川の家で、今までのうちでは一等居ごころのいい家ですから、ここならば大いに勉強が出来ると喜んでいると、去年は第三回の受験です。近来は健康も回復しているし、試験の勝手もよく判っているし、今度こそはという意気込みで、わたしは威勢よく試験場へはいって、答案をすらすらと書きはじめると、髪の白い女が又あらわれました。