Classici giapponesi con furigana
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うみがめ
異妖の怪談集 岡本綺堂伝奇小説集 其ノ二
岡本 綺堂
Leggi 異妖の怪談集 岡本綺堂伝奇小説集 其ノ二 (うみがめ) di 岡本 綺堂 (おかもときどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 144.507 caratteri · 291 schermate
堀川の家で止宿人にあたえている部屋は、二階に五間、下に二間という間取りで、山岸は下の六畳に、わたしは二階の東の隅の四畳半に陣取っているのでした。東の隅といっても、東側には隣りの二階家が接近しているので、一間の肱かけ窓は北の往来にむかって開かれているのですから、これからは日当りの悪い、寒い部屋になるのです。今夜のような風の吹く晩には、窓の戸をゆする音を聞くだけでも夜の寒さが身に沁みます。もう勉強する元気もないので、私はすぐに冷たい衾のなかにもぐり込みましたが、何分にも眼が冴えて眠られませんでした。いや、眠られないのがあたりまえかとも思いました。
わたしは今夜の話をそれからそれへと繰返して考えました。髪の白い女というのは、いったい何者であろうかとも考えました。山岸はそれを幽霊と信じてしまったらしいが、さっきも言う通り、白昼衆人のあいだに幽霊が姿をあらわすなどというのは、どうしても私には信じられないことでした。しかも山岸が彼の父にむかってその話を洩らしたときに、父の態度に怪しむべき点を発見したらしい事を考えると、父には何か思いあたる節があるのかとも察せられます。