Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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うみがめ

異妖の怪談集 岡本綺堂伝奇小説集 其ノ二

岡本 綺堂

Leggi 異妖の怪談集 岡本綺堂伝奇小説集 其ノ二 (うみがめ) di 岡本 綺堂 (おかもときどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 144.507 caratteri · 291 schermate

Aozora Bunko

」

「冬坡はどこにいるね。」

「今はわたくしの家の奥座敷に置いてあるのです。うっかりした所にいると、染吉が付きまとって来て何をするか判りませんから。」

「よろしい。それではすぐに女を引挙げることにしよう。君の留守に、冬坡が又ぬけ出しでもすると困るから、早く帰って保護していてくれ給え。」

野童をさきに帰して、わたしはすぐに官服に着かえて出ると、表はもう眼もあけられないような吹雪になっていた。署へ行って染吉を引致の手続きをすると、彼女は午後から一度も抱え主の家へ帰らないというのであった。停車場へ聞き合せにやったが、彼女が汽車に乗込んだような形跡はなかった。

もしやと思って、弁天社内を調べさせると、あたかもお照とおなじように、その死体は池の中から発見された。雪と水とに濡れている染吉のふところには、古い鏡を大事そうに抱いていた。冬坡を連れて逃げる望みもないとあきらめて、彼女はここを死に場所に選んだのであろう。お照がみずから滑り込んだのであれば勿論、たとい染吉が引摺り込んだとしても、事情が事情であるから死刑にはなるまい。しかも彼女は思い切って恋のかたきの跡を追ったのである。