Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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うみがめ

異妖の怪談集 岡本綺堂伝奇小説集 其ノ二

岡本 綺堂

Leggi 異妖の怪談集 岡本綺堂伝奇小説集 其ノ二 (うみがめ) di 岡本 綺堂 (おかもときどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 144.507 caratteri · 291 schermate

Aozora Bunko

気が付いて見ると、僕の着物の裾もいつの間にか草の露にひたされていた。

「あなたも御探険ですか」と、僕は訊いた。

「探険というわけでもないのですが……。」と、男は微笑した。「あまり評判が大きいので、実地を見に来たのです。」

「なにか御発見がありましたか。」と、僕も笑いながらまた訊いた。

「いや、どうしまして……。まるで見当が付きません。」

「いったい、ほんとうでしょうか。」

「ほんとうかも知れません。」

その声が案外厳格にきこえたので、僕は思わず彼の顔をみつめると、かれは神経質らしい眼を皺めながら言った。

「わたくしも最初は全然問題にしていなかったのですが、ここへ来てみると、なんだかそんな事もありそうに思われて来ました。」

「あなたの御鑑定では、その啼声はなんだろうとお思いですか。」

「それはわかりません。なにしろその声を一度も聞いたことがないのですから。」

「なるほど。」と、僕もうなずいた。「実はわたくしも聞いたことがないのです。」

「そうですか。わたくしも先刻から見てあるいているのですが、もし果して石が啼くとすれば、あの石らしいのです。」

かれはステッキで草むらの一方を指し示した。