Classici giapponesi con furigana
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うみがめ
異妖の怪談集 岡本綺堂伝奇小説集 其ノ二
岡本 綺堂
Leggi 異妖の怪談集 岡本綺堂伝奇小説集 其ノ二 (うみがめ) di 岡本 綺堂 (おかもときどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 144.507 caratteri · 291 schermate
しかしまあ少ない方に間違っているのは結構、殊に暑いときには至極結構だと思って、僕は楽々と一方の腰掛けを占領していると、向う側に腰をおろしているのは、僕とおなじ年頃かと思われる二十四五の男と、十九か二十歳ぐらいの若い女で、その顔付きから察するに彼等はたしかに兄妹らしく見られた。
ここで僕の注意をひいたのは、この兄妹の風俗の全然相違していることで、兄は一見して質朴な農家の青年であることを認められるにもかかわらず、妹は媚かしい派手づくりで、僕等の町でみる酌婦などよりは遥かに高等、おそらく何処かの芸妓であろうと想像されることであった。兄も妹もだまっていた。兄はときどきに振り向いて車の外をながめたりしていたが、妹は顔の色の蒼ざめた、元気のないようなふうで、始終うつむいて自分の膝の上に眼をおとしていた。僕は汽車のなかで買った大阪の新聞や地方新聞などを読んでいるうちに、馬車は停車場から町のまん中をつきぬけて、やがて村へはいって行った。前にもいう通り、僕の町へ行き着くにはこの田舎路を三里あまりもがたくって行かなければならないのだから、暑い時にはまったく難儀だ。
それでも長い汽車旅行と暑さとに疲れているので、僕はそのがた馬車にゆられて新聞をよみながらいつとはなしにうとうとと眠ってしまったと思うと、不意にぐらりと激しく揺すぶら