Classici giapponesi con furigana
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うみがめ
異妖の怪談集 岡本綺堂伝奇小説集 其ノ二
岡本 綺堂
Leggi 異妖の怪談集 岡本綺堂伝奇小説集 其ノ二 (うみがめ) di 岡本 綺堂 (おかもときどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 144.507 caratteri · 291 schermate
雪のふるなかでも咲いているというが、それはどうも嘘らしい。
なぜそれに幽霊という名を冠らせたかというと、所詮はその花と葉との形から来たらしい。花は薄白と薄むらさきの二種あって、どれもなんだか曇ったような色をしている。ことにその葉の形がよくない。細い青白い長い葉で、なんだか水のなかから手をあげて招いているようにも見える。そういうわけで、花といい、葉といい、どうも感じのよくない植物であるから、いつの代からか幽霊藻とか幽霊草とかいう忌な名を付けられたのだろうと想像されるが、それについては又こういう伝説がある。
昔、平家の美しい官女が壇ノ浦から落ちのびて、この村まで遠く迷ってくると、ひどく疲れて喉が渇いたので、堤から這い降りて川の水をすくって飲もうとする時、あやまって足をすべらせて、そのまま水の底に吸い込まれてしまった。どうしてそれが平家の官女だということが判ったか知らないが、ともかくそういうことになっている。そうして、それから後にこの川へ浮き出したのがあの幽霊藻で、薄白い花はかの女の小袖の色、うす紫はかの女の袴の色だというのだ。官女の袴ならば緋でありそうなものだが、これは薄紫であったということだ。