Classici giapponesi con furigana
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くじょしょうろく
痀女抄録
矢田 津世子
Leggi 痀女抄録 (くじょしょうろく) di 矢田 津世子 (やだつせこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 32.578 caratteri · 65 schermate
中尾が掠りを取ることを念に入れておいて、手数料は手取り利子の七分ということにした。
中尾は龍子の金を信託された責任を負い、そして、龍子は、その委託金の融通権限をもっていた。
この歌うたいは、笑窪のよったあどけない顔で、いろいろな指示をした。貸し金は小口を主として、返済は三ヵ月限度とし、貸付範囲はサラリーマンを主としていた。
或る日も、中尾は訪ねてきて、こんなふうに切り出した。
「千三百円ばかりどうでしょう? 銀行員ですがね」
「担保は?」
「それがね、郷里に地所があるとか言ってるんですがね、どうも、あやしいんでね」
「調べに行くんなら調査旅費を出させなさいな。いつかの川越みたいに、持ち出しの徒労帰りじゃあ……」
「いやあ、あれを言われちゃあ」
と、中尾は大袈裟に頭をかいた。「当人はね、保証人を立てるようにしたいって言ってますが、どんなもんでしょう?」
「保証人なら少し割り高に貰わなくっちゃあ、ねえ」
「八銭というところでしょうかな」
「九銭九銭。中尾さんはお人が良いから駄目よ。きっと一杯奢られたのね」
「一杯は一杯でも、珈琲じゃあねえ」
と、言いざま、中尾は眉をひらいてわっはっは、と笑った。