Classici giapponesi con furigana
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びょういんふうけい
病院風景
寺田 寅彦
Leggi 病院風景 (びょういんふうけい) di 寺田 寅彦 (てらだとらひこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 3521 caratteri · 8 schermate
オムレツと焼玉子の合の子のようなものが、メニューの中にあった。「味つき」と「味なし」と二通りあった。「オイ、味なし」。「味つき」。そういうどら声があちらこちらに聞こえた。今は雑使婦か何かの宿舎になっているらしい。そのボロボロの長屋に柿色や萌黄の蛇の目の傘が出入りしている。
またある日。
蒲団を積んだ手荷車が盲長屋の裏を向うへ、ゆるやかな坂を向うへ上って行く。貸夜具屋が病院からの電話で持込むところと想定してみる。突当りを右へ廻れば病院の門である。しかし車は突当りまで行って止った。そこの曲り角の処で荷物をほごしている。曲り角には家はないはずである。分からない。どう考えてもこの蒲団の行方は分からない。余所の蒲団の行先は分からない。
この角の向側に牛肉屋の豊国がある。学生の頃の最大のラキジュリーは豊国の牛鍋であった。色々の集会もここであった。天文関係の人が寄ったときにその頃発見された新星ノヴァ・ペルセイの話が出た。新星と豊国がその時から結合した。磁力測量に使う磁石棒の長さをミクロンまで精密に測ろうとして骨折った頃にもよく豊国の牛肉を食った。磁石と豊国とがその時から結合した。