Classici giapponesi con furigana
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ちじんのあい
痴人の愛
谷崎 潤一郎
Leggi 痴人の愛 (ちじんのあい) di 谷崎 潤一郎 (たにざきじゅんいちろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 179.399 caratteri · 353 schermate
一としきり立つと又止んでしまう、又アンコール、………二度も三度も繰り返して、とうとういくら手を叩いても聴かれなくなると、踊った男は相手の女の後に従ってお供のように護衛しながら、一同ぞろぞろとテーブルの方へ帰って来ます。浜田とまアちゃんは綺羅子とピンク色の洋服をめいめいのテーブルへ送り届けて、椅子にかけさせて、女の前で丁寧にお辞儀をしてから、やがて揃って私たちの方へやって来ました。
「やあ、今晩は。大分御ゆっくりでしたね」
そう云ったのは浜田でした。
「どうしたんだい、踊らねえのかい?」
まアちゃんは例のぞんざいな口調で、ナオミのうしろに突っ立ったまま、眩い彼女の盛装を上からしげしげと見おろして、
「約束がなけりゃあ、この次に己と踊ろうか?」
「いやだよ、まアちゃんは、下手くそだもの!」
「馬鹿云いねえ、月謝は出さねえが、これでもちゃんと踊れるから不思議だ」
と、大きな団子ッ鼻の孔をひろげて、唇を「へ」の字なりに、えへらえへら笑って見せて、
「根が御器用でいらっしゃるからね」
「ふん、威張るなよ! あのピンク色の洋服と踊ってる恰好なんざあ、あんまりいい図じゃなかったよ」