Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

ja-reading.com

Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.

ちじんのあい

痴人の愛

谷崎 潤一郎

Leggi 痴人の愛 (ちじんのあい) di 谷崎 潤一郎 (たにざきじゅんいちろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 179.399 caratteri · 353 schermate

Aozora Bunko

「ラ、ラ、ラララ」

と、ナオミは一と際高い調子で、拍子を取って歩いていきました。

「浜さん、あんた何がいい? あたしキャラバンが一番すきだわ」

「おお、キャラバン!」

と、菊子が頓狂な声で云いました。

「素敵ね! あれは」

「でもわたくし、―――」

と、今度は綺羅子が引き取って、

「ホイスパリングも悪くはないと存じますわ。大へんあれは踊りよくって、―――」

「蝶々さんがいいじゃないか、僕はあれが一番好きだよ」

そして浜田は「蝶々さん」を早速口笛で吹くのでした。

改札口で彼等に別れて、冬の夜風が吹き通すプラットホームに立ちながら、電車を待っている間、私とナオミとはあんまり口を利きませんでした。歓楽のあとの物淋しさ、とでも云うような心持が私の胸を支配していました。尤もナオミはそんなものを感じなかったに違いなく、

「今夜は面白かったわね、又近いうちに行きましょうよ」

と、話しかけたりしましたけれど、私は興ざめた顔つきで「うん」と口のうちで答えただけでした。

何だ? これがダンスと云うものなのか? 親を欺き、夫婦喧嘩をし、さんざ泣いたり笑ったりした揚句の果てに、己が味わった舞蹈会と云うものは、こんな馬鹿げたものだったのか? 奴等はみんな虚栄心とおべっかと己惚れと、気障の集団じゃないか?―――