Classici giapponesi con furigana
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ちじんのあい
痴人の愛
谷崎 潤一郎
Leggi 痴人の愛 (ちじんのあい) di 谷崎 潤一郎 (たにざきじゅんいちろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 179.399 caratteri · 353 schermate
「ふん! 人様の家に御厄介になりながらか」
「当り前さ、どうせ今夜はほんとに寝られやしないんだから」
「己あ寝るよ、グウグウ鼾をかいて寝るよ」
どしんと熊谷は地響を立てて、着物のまんま真っ先にもぐり込みました。
「寝ようッたって寝かしゃしないわよ。―――浜さん、まアちゃんを寝かしちゃ駄目よ、寝そうになったら擽ぐってやるのよ。―――」
「ああ蒸し暑い、とてもこれじゃ寝られやしないよ。―――」
まん中の布団にふん反り返って膝を立てている熊谷の右側に、洋服の浜田はズボンと下着のシャツ一枚で、痩せた体を仰向けに、ぺこんと腹を凹ましていました。そして静かに戸外の雨を聞き澄ましてでもいるように、片手を額の上に載せて、片手でばたばたと団扇を使っている音が、一層暑苦しそうでした。
「それに何だよ、僕ア女の人がいると、どうもおちおち寝られないような気がするよ」
「あたしは男よ、女じゃないわよ、浜さんだって女のような気がしないって云ったじゃないか」
蚊帳の外の、うす暗い所で、ぱっと寝間着に着換える時ナオミの白い背中が見えました。
「そりゃ、云ったことは云ったけれど、………」
「………やっぱり傍へ寝られると、女のような気がするのかい?」