Classici giapponesi con furigana
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ちじんのあい
痴人の愛
谷崎 潤一郎
Leggi 痴人の愛 (ちじんのあい) di 谷崎 潤一郎 (たにざきじゅんいちろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 179.399 caratteri · 353 schermate
「そんな頭は孰方へ向けたって、格別問題になりやしねえよ」
「いや、そうでないよ、まアちゃんはまん中だからいいが、僕に取っちゃ問題だよ」
「そう? 浜さん、じゃ、浜さんの方を頭にしようか」
「だからそいつが問題なんだよ、此方へ頭を向けられても心配だし、そうかと云って河合さんの方へ向けられても、やっぱり何だか気が揉めるし、………」
「それに、この女は寝像が悪いぜ」
と、熊谷が又口を挟んで、
「用心しないと、足を向けられた方の奴は夜中に蹴ッ飛ばされるかも知れんぜ」
「どうですか河合さん、ほんとに寝像が悪いですか」
「ええ、悪いですよ、それも一と通りじゃありませんよ」
「おい、浜田」
「ええ?」
「寝惚けて足の裏を舐めたってね」
そう云って熊谷がゲラゲラ笑いました。
「足を舐めたっていいじゃないの。譲治さんなんか始終だわよ、顔より足の方が可愛いくらいだって云うんだもの」
「そいつあ一種の拝物教だね」
「だってそうなのよ、ねえ、譲治さん、そうじゃなかった? あなたは実は足の方が好きなんだわね?」
それからナオミは、「公平にしなけりゃ悪い」と云って、私の方へ足を向けたり、浜田の方へ向け変えたり、五分おきぐらいに、何度も何度も布団の上を彼方此方へ寝そべりました。