Classici giapponesi con furigana
ja-reading.com
Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.
ちじんのあい
痴人の愛
谷崎 潤一郎
Leggi 痴人の愛 (ちじんのあい) di 谷崎 潤一郎 (たにざきじゅんいちろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 179.399 caratteri · 353 schermate
が、ナオミの為めに田舎から送ってよこしたのは、女中を寝かす夜具でしたから、お約束の唐草模様の、ゴワゴワした木綿の煎餅布団でした。私は何だか可哀そうな気がしたので、
「これではちょっとひど過ぎるね、僕の布団と一枚取換えて上げようか」
と、そう云いましたが、
「ううん、いいの、あたしこれで沢山」
と云って、彼女はそれを引っ被って、独り淋しく屋根裏の三畳の部屋に寝ました。
私は彼女の隣りの部屋―――同じ屋根裏の、四畳半の方へ寝るのでしたが、毎朝々々、眼をさますと私たちは、向うの部屋と此方の部屋とで、布団の中にもぐりながら声を掛け合ったものでした。
「ナオミちゃん、もう起きたかい」
と、私が云います。
「ええ、起きてるわ、今もう何時?」
と、彼女が応じます。
「六時半だよ、―――今朝は僕がおまんまを炊いてあげようか」
「そう? 昨日あたしが炊いたんだから、今日は譲治さんが炊いてもいいわ」
「じゃ仕方がない、炊いてやろうか。面倒だからそれともパンで済ましとこうか」
「ええ、いいわ、だけど譲治さんは随分ずるいわ」
そして私たちは、御飯がたべたければ小さな土鍋で米を炊ぎ、別にお櫃へ移すまでもなくテーブルの上へ持って来て、罐詰か何かを突ッつきながら食事をします。