Classici giapponesi con furigana
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ちじんのあい
痴人の愛
谷崎 潤一郎
Leggi 痴人の愛 (ちじんのあい) di 谷崎 潤一郎 (たにざきじゅんいちろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 179.399 caratteri · 353 schermate
「お前もなかなか強情だけど、僕にしたって一旦こうと云い出したら、決してそのままにゃ済まさないよ。悪いと思ったら詫まるがよし、それが厭なら帰っておくれ。………さ、孰方にするんだよ、早く極めたらいいじゃないか。詫まるのかい? それとも浅草へ帰るのかい?」
すると彼女は首を振って「いやいや」をします。
「じゃ、帰りたくないのかい?」
「うん」と云うように、今度は頤で頷いて見せます。
「じゃ、詫まると云うのかい?」
「うん」
と、又同じように頷きます。
「それなら堪忍して上げるから、ちゃんと手を衝いて詫まるがいい」
で、仕方がなしにナオミは机へ両手を衝いて、―――それでもまだ何処か人を馬鹿にしたような風つきをしながら、不精ッたらしく、横ッちょを向いてお辞儀をします。
こういう傲慢な、我が儘な根性は、前から彼女にあったのであるか、或は私が甘やかし過ぎた結果なのか、いずれにしても日を経るに従ってそれがだんだん昂じて来つつあることは明かでした。いや、実は昂じて来たのではなく、十五六の時分にはそれを子供らしい愛嬌として見逃していたのが、大きくなっても止まないので次第に私の手に余るようになったのかも知れません。