Classici giapponesi con furigana
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ちじんのあい
痴人の愛
谷崎 潤一郎
Leggi 痴人の愛 (ちじんのあい) di 谷崎 潤一郎 (たにざきじゅんいちろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 179.399 caratteri · 353 schermate
「この暑いのによく来てくれたね、―――君、済まないが扇子を持ってたら貸してくれないか、何しろどうも、アッシスタントもなかなか楽な仕事じゃないよ」
ナオミは帯の間から扇子を出して渡してやって、
「でも浜さんはなかなか上手ね、アッシスタントの資格があるわ。いつから稽古し出したのよ」
「僕かい? 僕はもう半歳もやっているのさ。けれど君なんか器用だから、すぐ覚えるよ、ダンスは男がリードするんで、女はそれに喰っ着いて行けりゃあいいんだからね」
「あの、此処にいる男の連中はどう云う人たちが多いんでしょうか?」
私がそう云うと、
「はあ、これですか」
と、浜田は丁寧な言葉になって、
「この人たちは大概あの、東洋石油株式会社の社員の方が多いんです。杉崎先生の御親戚が会社の重役をしておられるので、その方からの御紹介だそうですがね」
東洋石油の会社員とソシアル・ダンス!―――随分妙な取り合わせだと思いながら、私は重ねて尋ねました。
「じゃあ何ですか、あのあすこに居る髭の生えた紳士も、やっぱり社員なんですか」
「いや、あれは違います、あの方はドクトルなんです」
「ドクトル?」
「ええ、やはりその会社の衛生顧問をしておられるドクトルなんです。