Classici giapponesi con furigana
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しろくれない
白くれない
夢野 久作
Leggi 白くれない (しろくれない) di 夢野 久作 (ゆめのきゅうさく) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 24.846 caratteri · 50 schermate
「成る程。その人が地所と一所にこの刀を売りに出したんだな」
「ヘエ。当主があんまり正直過ぎて無尽詐欺に引っかかったんだそうで……」
「それじゃこの帳面は刀身と一所に貰っといていいんだナ」
「ヘエ。どうぞ。まあ内容を御覧なすって……私どもにはトテも読めない、お家様で御座います」
「ふうむ。待て待て……」
私は書見用の眼鏡をかけて汚染だらけの白紙の表紙を一枚めくってみた。(註曰。以下掲ぐる文章は殆んど原文のままである。読み難い仮名を本字に、本字を仮名に、天爾遠波の落ちたのを直し補った程度のものに過ぎない)
片面鬼三郎自伝
われ生まれて神仏を信ぜず。あまたの人を斬りて罪業を重ね、恐ろしき欺罔の魔道に迷ひ入り、殺生に増る邪道に陥り行くうち、人の怨みの恐ろしさを思ひ知りて、われと、わが身を亡ぼしをはんぬ。その末期の思ひに、われとわが罪を露はし、思ふ事包まず書残して後の世の戒めとなし、罪障懺悔のよすがともなさむとて、かくなむ。
父母の御名は許し給ひねかし。
われは肥前唐津の者。門地高き家の三男にて綽名を片面鬼三郎となん呼ばれたる者也。
後陽成天皇の慶長十三年三月生る。