Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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しろばなのあさがお

白花の朝顔

泉 鏡花

Leggi 白花の朝顔 (しろばなのあさがお) di 泉 鏡花 (いずみきょうか) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 30.880 caratteri · 62 schermate

Aozora Bunko

」

と莞爾して、急に上げた瓜核顔が、差向いに軽く仰向いた、眉の和やかさを見た目には、擬宝珠が花の雲に乗り、霞がほんのりと縁を包んで、欄干が遠く見えてぼうとなった。その霞に浮いて、ただ御堂の白い中に、未開紅なる唇が夜露を含んで咲こうとする。……

「あれえ。」

声を絞ると、擬宝珠の上に、円髷が空ざまに振られつつ、

「蛇が、蛇が。」

「何、蛇が。」

「赤い蛇が。」

赤い蛇は、褄の乱れた、きみの裾のほかにあるものか。

「膝が震えて、足が縮む……動けば落ちようし、どないしよう。」

と欄干に、わなわな。

「今時蛇が、こんな処へ。……不忍の池には白いのがいるというが。」

と、わざと落着いたが、足もとはうろつきながら、外套の袖で、背後状にお絹を囲った。

「額の、額の。」

ああ、幽に見ゆる観世音の額の金色と、中を劃って、霞の畳まる、横広い一面の額の隙間から、一条たらりと下っていた。

「紐だ、紐ですよ。何かの。」

勇を示して、示しついでに、ぐい、と引くと、

「あれ、……白い顔。」

声とともに、くなりと膝をついたお絹が、背後から腰につかまった。

「上から覗かはる……どうしようねえ。」

お聞きづらかろうが、そういった意味で、身震いをする勢いが手伝って、紐に、ずるずると力が入ると、ざ、ざ、ざ、と摺れて、この場合――ごみも埃もいってはおられぬ。