Classici giapponesi con furigana
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しらぎく
白菊
夢野 久作
Leggi 白菊 (しらぎく) di 夢野 久作 (ゆめのきゅうさく) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 12.486 caratteri · 25 schermate
極度にタタキ付けられた選手のように、スッカリ混乱してしまったまま……両脚を投げ出して、後手を突いたまま……腹立たしい菊の花の芳香を、いつまでもいつまでも呼吸していた。
しかし、そのうちに彼はヤットの思いで立ち上った。手も力もなく蹌踉きながら、はだかった胸を掻き合わせて、露深い草の上に落ちたマキリを探し当てて、懐中の鞘に納めながら、花壇の方向へスタスタと立ち去ろうとした……が……又もピッタリと立佇まって振り返った。石柱の下に静まり返っている白菊の鉢を見返りながら腕を組んで考え込んだ。混乱した頭を鎮めよう鎮めようと努力した。
……俺はここへ何をしに来たんだ。……そうして……このまま帰ったら俺は一体どうなるんか……。
やがて彼は闇の中でガックリとうなずいた。
忽ちツカツカと石柱の根元に歩み寄って、盛り上った白菊の鉢に両手をかけた。
「……エエ糞……このまま帰ったら俺あ型なしになるんだぞ……畜生。どうするか見よれ」
とイキミ声を出しながらジワジワと鉢を持ち上げかけた。
「俺が来た証拠だ……畜生……」
それは疲れ切った、空腹の彼にとっては、実に容易ならぬ大事業であった。