Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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はっけっきゅう

白血球

豊島 与志雄

Leggi 白血球 (はっけっきゅう) di 豊島 与志雄 (とよしまよしお) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 11.538 caratteri · 24 schermate

Aozora Bunko

「小学校にも通ってる晋吉が、あんなに喫驚するくらいですから、普通のことじゃありませんわ。」

晋作もさすがに一寸気を惹かれた。彼は怪力乱心をこそ語らなかったが、楽天家相当の偶然の機縁――それに多少の思想を交うれば、すぐに霊とか奇蹟とかになり得るもの――を否定しはしなかった。で試みに、女中部屋にはいって、あちらこちら歩き廻ったり、一寸屈み込んだりして、腕を組みながら、小首を傾げてみた。

廊下の障子と室の障子とで二重に漉された明るみが、北の高窓から射す光りで暈されていた。窓の外は隣家との境の亜鉛塀で、塀の上に伸び出てる桜の梢が見えていた。直接の日光が射さないせいか、室の空気が底冷たかった。まではよいが、押入の方から、何だか嫌な気が漂ってくるようだった。はっきり捉え所のない、変に気持ちが惹かされる、馬鹿げてるが打消せない、何とはなしに嫌な気だった。よく見るとその半間の押入の襖と柱との合せ目が、どちらか歪んでるせいか、上の方が五分ばかりすいていた。掌をかざしたが、別に隙間風がはいってる様子もなかった。襖を開くと、清の荷物や見馴れた古道具が、中に一杯押込んであった。