Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ひゃくめんそうやくしゃ

百面相役者

江戸川 乱歩

Leggi 百面相役者 (ひゃくめんそうやくしゃ) di 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 9801 caratteri · 20 schermate

Aozora Bunko

そればかりではない。変装する毎に、顔形がまるで変って了う。不思議で堪まらなかったのは、時によって、丸顔になったり、細面になったりする。目や口が大きくなったり小さくなったりするのは、まだいいとして、鼻や耳の恰好さえひどく変るのだ。僕の錯覚だったのか、それとも何かの秘術であんなことが出来るのか、未だに疑問がとけない。

そんな風だから、舞台に出て来ても、これが百面相役者ということは、想像もつかぬ。ただ番附を見て、僅かにあれだなと悟る位のものだ。あんまり不思議なので、僕はそっとRに聞いて見た。

「あれは本当に同一人なのでしょうか。若しや、百面相役者というのは、一人ではなくて、大勢の替玉を引っくるめての名称で、それが代るがわる現れているのではないでしょうか」

実際僕はそう思ったものだ。

「いやそうではない。よく注意してあの声を聞いてごらん。声の方は変装のようには行かぬかして、巧みに変えてはいるが、皆同一音調だよ。あんなに音調の似た人間が幾人もあるはずはないよ」

なる程、そう聞けば、どうやら同一人物らしくもあった。

「僕にしたって、何も知らずにこれを見たら、きっとそんな不審を起したに相違ない」