Classici giapponesi con furigana
ja-reading.com
Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.
もうもくものがたり
盲目物語
谷崎 潤一郎
Leggi 盲目物語 (もうもくものがたり) di 谷崎 潤一郎 (たにざきじゅんいちろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 75.341 caratteri · 148 schermate
ことでござります」
そう申しあげましたら、
「そうかえ」
と仰っしゃったなり、しばらくしずんでいらしって、
「それでもお前、知ってのとおりおおぜいの者がいつのまにか一人へり二人へりして、もうおしろにはいくにんも残っていないのですよ。りっぱな武士でさえ主をみすてゝおちてゆくのに、さむらいでもないものがたれにえんりょをすることがあろう。ましておまえは眼がふじゆうなのだから、まご/\しているとけがをしますよ」
と仰っしゃるのです。
「おおせはありがとうござりますが、おしろを捨てるのもふみとゞまるのも、それはひと/″\のこゝろまかせでござります。まなこさえあいておりましたら、夜にまぎれておちのびることもできましょうけれども、このように四方をかこまれておりましてはたといおいとまをいたゞきましてもわたくしには逃げるみちがござりませぬ。どうせ数ならぬめくら法師ではござりますが、なまなかてきにとらえられてなさけを受けるのはいやでござります」
すると、なんともおことばはなくて、そっとおんなみだをおふきになったらしゅう、ふところからたとうがみをお出しになるおとがさら/\ときこえました。