Classici giapponesi con furigana
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ケーベルせんせいのこくべつ
硝子戸の中
Leggi 硝子戸の中 (ケーベルせんせいのこくべつ) di Natsume Sōseki (夏目 漱石) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 13.825 caratteri · 28 schermate
重吉は先方がそれを承知なのかと聞き返した。自分はその時ちょっと困った。実はそんな細かなことまで先方の意見を確かめたうえで、談判に来たわけではなかったのだからである。けれども行きがかり上やむをえないので、
「そう話したら、承知するだろうじゃないか」と勢いよく言ってのけた。
すると、重吉は問題の方向を変えて、目下の経済事情が、とうてい暖かい家庭を物質的に形づくるほどの余裕をもっていないから、しばらくのあいだひとりでしんぼうするつもりでいたのだという弁解をしたうえ、最初の約束によれば、ことしの暮れには月給が上がって東京へ帰れるはずだから、その時は先さえ承知なら、どんな小さな家でも構えて、お静さんを迎える考えだと話した。もし事が約束どおりに運ばないため、月給も上がらず、東京へも帰れなかったあかつきには、その時こそ、先方さえ異存がなければ、自分の言ったようにする気だから、なにぶんよろしく頼むということもつけ加えた。自分は一応もっともだと思った。
「そうお前の腹がきまってるなら、それでいい。叔母さんも安心するだろう。お静さんのほうへも、よくそう話しておこう」
「ええどうぞ――。