Classici giapponesi con furigana
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ケーベルせんせいのこくべつ
硝子戸の中
Leggi 硝子戸の中 (ケーベルせんせいのこくべつ) di Natsume Sōseki (夏目 漱石) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 13.825 caratteri · 28 schermate
彼は簡単に、早いじゃありませんか、今朝起きたらすぐ上がるつもりでいたところをお迎えで――と言ったまま、そこへすわって、自分の顔を正視した。この時はたから二人の様子を虚心に観察したら、重吉のほうが自分よりはるかに無邪気に見えたに違いない。自分は黙っていた。彼は白足袋に角帯で単衣の下から鼠色の羽二重を掛けた襦袢の襟を出していた。
「今日はだいぶしゃれてるじゃないか」
「昨夕もこの服装ですよ。夜だからわからなかったんでしょう」
自分はまた黙った。それからまたこんな会話を二、三度取りかわしたが、いつでもそのあいだに妙な穴ができた。自分はこの穴を故意にこしらえているような感じがした。けれども重吉にはそんなわだかまりがないから、いくら口数を減らしてもその態度がおのずから天然であった。しまいに自分はまじめになって、こう言った。
「実は昨夕もあんなに話した、あのことだがね。どうだ、いっそのこときっぱり断わってしまっちゃ」
重吉はちょっと腑に落ちないという顔つきをしたが、それでもいつものようなおっとりした調子で、なぜですかと聞き返した。
「なぜって、君のような道楽ものは向こうの夫になる資格がないからさ」