Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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しゃかいじひょう

社会時評

戸坂 潤

Leggi 社会時評 (しゃかいじひょう) di 戸坂 潤 (とさかじゅん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 195.408 caratteri · 380 schermate

Aozora Bunko

)河上博士がその説得力に富んだ健筆を振えなくなり、資本論の飜訳も中途半端になっている時だったから、河上博士の或る意味での後継者としての氏の位置には特別なものがあったのだ。尤も河上博士の一種悲壮に近い闘志に充ちた筆致に較べると、大塚氏のは一種ホロ甘い蒸気につつまれているので、その印象は説得的であるよりも咏嘆的だと云ってもいいかも知れない。一つにはこの福田門下の偉才は同時に優れた詩人であり(氏のゲーテ研究はよく人から聞く処だ)、少くとも歌よみ人である処から、この弱々しさが出て来るのでもあるが、併し他方大塚氏は、理論家乃至分析家というよりも寧ろ卓越した資料の占有者だということから、その筆致の地味な処が出て来ると見られるだろう。或る人は氏の書く「論文」を退屈だと云っているが、それはこの二つの点から来ることだ。

資料の占有者だという意味は、決して単に資料を沢山持っているという意味ではない。氏は吾々と大して変らないような生活をしているように見えるから、失礼な想像だが、某々華族や貴顕紳士お近づきの歴史家ほどに沢山資料を有っているとは思えない。資料の占有は資料に就いての知識とその知識の整理とに、つまりそうした資料取り扱いの心がけに、帰着するのである。