Classici giapponesi con furigana
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かみがみのびしょう
神神の微笑
Leggi 神神の微笑 (かみがみのびしょう) di Akutagawa Ryūnosuke (芥川 竜之介) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 9156 caratteri · 19 schermate
無気味に、――と云うよりもむしろこの桜が、何故か彼を不安にする、日本そのもののように見えたのだった。が、彼は刹那の後、それが不思議でも何でもない、ただの桜だった事を発見すると、恥しそうに苦笑しながら、静かにまたもと来た小径へ、力のない歩みを返して行った。
× × ×
三十分の後、彼は南蛮寺の内陣に、泥烏須へ祈祷を捧げていた。そこにはただ円天井から吊るされたランプがあるだけだった。そのランプの光の中に、内陣を囲んだフレスコの壁には、サン・ミグエルが地獄の悪魔と、モオゼの屍骸を争っていた。が、勇ましい大天使は勿論、吼り立った悪魔さえも、今夜は朧げな光の加減か、妙にふだんよりは優美に見えた。それはまた事によると、祭壇の前に捧げられた、水々しい薔薇や金雀花が、匂っているせいかも知れなかった。彼はその祭壇の後に、じっと頭を垂れたまま、熱心にこう云う祈祷を凝らした。
「南無大慈大悲の泥烏須如来! 私はリスポアを船出した時から、一命はあなたに奉って居ります。ですから、どんな難儀に遇っても、十字架の御威光を輝かせるためには、一歩も怯まずに進んで参りました。