Classici giapponesi con furigana
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しんぴこんちゅうかん
神秘昆虫館
国枝 史郎
Leggi 神秘昆虫館 (しんぴこんちゅうかん) di 国枝 史郎 (くにえだしろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 105.803 caratteri · 213 schermate
「そういう自信がないことには、何んで妾がお供をして、桔梗様をさがしの旅などへ、進んで出かけて参りましょう」
「いかさまこれはもっともで」
話がここで切れてしまった。
手綱を引いて君江が行く。馬に揺られて小一郎が行く。一見長閑な旅である。
どこへ向かって行くのだろう? ズンズン行けば桐窪へ出る。それでは桐窪へ行くのだろうか?
それにしても一式小一郎は、芹沢の里に建てられてあった、冷泉華子の道場の、水に充たされた垢離部屋から、どうして出ることが出来たのだろう? それこそ何んでもなかったのである。高い窓から遁がれたのである。水が窓から流れ出るまで、小一郎は垢離部屋で立泳ぎをしていた。そうして流れ出る水と一緒に、窓から外へ出たのである。窓が大きくなかったら遁がれ出ることは出来なかったろう。幸いに窓は大きかった。で、出ることが出来たのである。もしまた南部集五郎が、さらに一層注意深く、窓まで水が浸く前に、早く樋口を引いたなら、遁がれ出ることは出来なかったろう。集五郎は周章てていたようである。で、樋口を掛け放しにして、華子へ知らせに走ったのであった。そうしてその後に起こったのが、あの凄まじい乱闘で、そうして乱闘の行われている間に、窓まで水が浸いたのであった。