Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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しんぴこんちゅうかん

神秘昆虫館

国枝 史郎

Leggi 神秘昆虫館 (しんぴこんちゅうかん) di 国枝 史郎 (くにえだしろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 105.803 caratteri · 213 schermate

Aozora Bunko

五町あまりも歩いたろうか、森は途切れたが林となった。林の左側に沿いながら、一行はさらに進んで行く。

と、今度は小山となった。山の斜面に瘤のように、うずくまっている小山である。小山の裾を巡りながら、一行は尚も進んで行く。

と、小山の反対側から、またも馬の鈴が聞こえて来た。

ところがどうにも腑に落ちないのは、物見に出て行った山本という武士が、いまだに帰って来ないことであった。

「どうしたのだろう、可笑しいではないか」

集五郎には不思議でならなかった。

「山本氏が帰りませんようで」華子に向かって不安そうに云った。

「そうだねえ、どうしたのだろう」

日光を遮って駕籠の中は、ボッと薄暗く煙っていたが、その中に浮いている華子の顔には、幽かながらも不安があった。「十や十五の子供ではなし、迷児になったのではあるまいが、それにしても少し手間取り過ぎるよ」

「それに旅人の鈴の音が、小山の向こう側で聞こえております」

「もう一人物見にやってごらん」

「北条氏北条氏」呼ぶ声に連れて、北条という若い武士が、すぐに後列から走って来た。

「は、何事でございますかな?」二十五、六の武士である。