Classici giapponesi con furigana
ja-reading.com
Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.
しんぴこんちゅうかん
神秘昆虫館
国枝 史郎
Leggi 神秘昆虫館 (しんぴこんちゅうかん) di 国枝 史郎 (くにえだしろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 105.803 caratteri · 213 schermate
その日からちょうど五日経った。
三浦三崎の君江の家、その家号を角屋と云って、立派な構えの旅籠屋である。その門口からフラリと出たのは、他ならぬ一式小一郎で、口先に微笑を漂わせている。
「君江という娘、嘘は云わなかった。まさしく家は旅籠屋で、両親もピンピン健康でいる。そうして俺には親切だ。親切といえばあの君江、ほんとに俺を愛しているらしい。ちと困ったが迷惑でもない。明るくて快活でわだかまりがない。たしかに野に咲いた一輪の名花さ。そうは云ってもこの俺には、他に愛する女がある。姿形はまだ見ないが、小梅田圃の切り合いの最中、声だけ聞いたあの女だ。是非是非探しあてて逢って見たいものだ。……それはそれとしてその君江、大池のあるという森林の中へ、何故この俺を行かせないのだろう?」
立ち止まって四辺を見廻わした。冬ざれた半農半漁の村が、一筋寂しく横仆わっている。それを越すと耕地である。耕地の向こうが大森林で、檜や杉の喬木が、澄み切った空を摩している。
ヒョイと何気なく振り返って見た。「はてな?」と云ったのはどうしたのだろう? 十五、六人の侍が、いずれも立派な旅姿で、スタスタとこっちへ来るからであった。