Classici giapponesi con furigana
ja-reading.com
Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.
しんけい
神経
織田 作之助
Leggi 神経 (しんけい) di 織田 作之助 (おださくのすけ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 13.754 caratteri · 28 schermate
も常盤座も焼けてしまったが、地蔵だけは焼け残った。しかし焼け残ったのがかえって哀れなようだった。
その日から十日程たって、千日前へ行くと「花屋」の主人がせっせと焼跡を掘りだしていて、私の顔を見るなり、
「わては焼けても千日前は離れまへんねん」
防空壕の中で家族四人暮しているというのである。
「――鰻の寝間みたいな狭いとこでっけど、庭は広おまっせ」
千日前一面がうちの庭だと、「花屋」の主人は以前から洒落の好きな人だった。
暫らく立ち話して「花屋」の主人と別れ、大阪劇場の前まで来ると、名前を呼ばれた。振り向くと、「波屋」の参ちゃんだった。「波屋」は千日前と難波を通ずる南海通りの漫才小屋の向いにある本屋で、私は中学生の頃から「波屋」で本を買うていて、参ちゃんとは古い馴染だった。参ちゃんはもと「波屋」の雇人だったが、その後主人より店を譲って貰って「波屋」の主人になっていた。芝本参治という名だが、小僧の時から参ちゃんの愛称で通っていた。参ちゃんも罹災したのだ。
私は参ちゃんの顔を見るなり、罹災の見舞よりも先に、
「あんたとこが焼けたので、もう雑誌が買えなくなったよ」