Classici giapponesi con furigana
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しんろのまき
神鷺之巻
泉 鏡花
Leggi 神鷺之巻 (しんろのまき) di 泉 鏡花 (いずみきょうか) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 26.672 caratteri · 54 schermate
「いや、どうも、そりゃちと違いましょう。牛肉のバタ焼の黒煙を立てて、腐った樽柿の息を吹くのと、明神の清水を汲んで、松風を吸ったのでは、それは、いくらか違わなくっては。」
と、はじめて声を出して軽く笑った。
「透通るほどなのは、あなたさ。」
「ええ。」
と無邪気にうけながら、ちょっと眉を顰めた。乳の下を且つ蔽う袖。
「一度、二十許りの親類の娘を連れて、鬼子母神へ参詣をした事がありますがね、桐の花が窓へ散る、しんとした御堂の燈明で視た、襟脚のよさというものは、拝んで閉じた目も凜として……白さは白粉以上なんです。――前刻も山下のお寺の観世音の前で……お誓さん――女持の薄紫の扇を視ました。ああ、ここへお参りして拝んだ姿は、どんなに美しかろうと思いましたが。」
誓はうつむく。
その襟脚はいうまでもなかろう。
「その人もわかりました。いまおなじ人が、この明神様に籠ったのもわかったのです。が、お待ちなさいよ。絵馬を、私が視ていた時、お誓さんは、どこに居て……」
「ええ、そして、あの、何をしたんだとおっしゃいましょう。」
つと寄ると、手巾を払った手で、柄杓の柄の半ばを取りしめた。