Classici giapponesi con furigana
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まつりのよる
祭りの夜
豊島 与志雄
Leggi 祭りの夜 (まつりのよる) di 豊島 与志雄 (とよしまよしお) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 9781 caratteri · 20 schermate
」
ハナなら、お留さんがたいへん好きで、また上手だ。政代はあまりうまくない。私はいちばん下手だ。然しそんなことはどうでもよい。私は雨の小野道風が好きで、そればかり狙ってるうちに、だんだん負けがこんでくる。お留さんがわざと、私に小野道風を取らせてくれることもある。だが政代は、その札をいつも私と争い、さらっていくと他愛なく喜ぶ。――二時間ほど遊ぶと、もう倦きて、また酒がほしくなる。
お留さんは先に寝てしまった。
風はやんだようだが、雨は強くなったり弱くなったりしている。その変化が、気持ちのせいばかりでもなさそうで、耳にはっきり聞き取れるのだ。
「へんね、東京に帰るのが、何だか怖いような気がしたりして……。」
政代は私の顔をじっと見た。
それはまだずっと先のことだと、私は思っていた。――東京の或る家のお上さんが、身体がわるくなったから、政代に来てくれないか、お留さんも一緒にと、それだけの話なのだ。裏口営業の料亭か何かであろう。八杉の口利きもあるらしかった。
「早く来てくれというんですか。」
「いつでもいいってことになってるんだけど。」
彼女は銚子に酒を満たして、銅壺につきこんだ。