Classici giapponesi con furigana
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しゅうさいようしかがみ
秀才養子鑑
佐々木 邦
Leggi 秀才養子鑑 (しゅうさいようしかがみ) di 佐々木 邦 (ささきくに) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 15.837 caratteri · 32 schermate
と小室夫人雪子さんが待っていて訊いた。家ではない。会社の近くの堀端だった。主人の就職運動に奥さんがついて歩く。貞女は結構だけれど、少し世話を焼き過ぎる。
「人事課長も大分好意を持ってくれた」
「私、これぐらい手間を取るようなら、好い方だろうと思っていましたの」
「会社の中のことを種々と話してくれたから、採用してくれる積りかも知れない」
「有望ね、それじゃ」
「宗像さん初め幹部の人と相談して返事をくれるそうだ」
「いつ?」
「二三日かゝるだろう。しかし俸給のことは些っとも言わなかった。採用するなら、その問題に触れそうなものだと思うんだけれど」
「前の会社丈け下さるんでしょう?」
「根本問題だからね。幾らでも宜いと此方から切り出しているなら兎に角」
「そう仰有いませんでしたの? 差当り困るんじゃありませんからって、私、申上げたじゃございませんか?」
「切り出す余地がなかったんだ。この会社は特別に忙しいとか、山へ行くと帰れないとか、取りつき悪いような話ばかりしている。して見ると、これは矢っ張り後から体好く断られるのかな?」
「あら! 駄目?」
「好いようにも思われる。悪いようにも思われる。