Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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わたしのちち

私の父

堺 利彦

Leggi 私の父 (わたしのちち) di 堺 利彦 (さかいとしひこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 5750 caratteri · 12 schermate

Aozora Bunko

しかしお産は幸いに無事で、好い女の子が生れたので、西瓜は却って手柄をした。

父はまた、野菜作りばかりでなく、屋敷内に竹林を作り、果樹をふやし、花物を植えつけ、接穂をするなど、いろいろ計画を立てて実行した。茶の木も少しあった。煙草の少し作られたこともあった。蓮池の計画もあったが、これは実現されなかった。珍しい物としては、甘茶の木だの、三叉の木などがあった。桑の木のことは、後に記す。

父は煙草も好き、酒も好きだった。晩酌の一合ばかりを、ちしゃの葉に味噌をくるんで頬ばったりしながら、ちびちびやるのがよほどの楽しみであったらしい。いよいよ飯の菜や酒の肴のない時には、いたら貝か何かに菜漬を入れて、鰹節を少し振りかけて煮るのが父の発明で、それを「煮茎」と呼んでいた。「ただの香物でも、こうして煮ると皆が好くけえ、これは煮茎じゃのうて煮ずきじゃ」などと言って面白がっていた。

父は律義な人であり、正直な人であり、キチンとした、小心の人であった。そして多くの場合、機嫌のよい人であったが、どうかするとかなり不機嫌の時もあった。私としては、ある時、意外なことで叱られたことがある。