Classici giapponesi con furigana
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しほんたいへいき
私本太平記
吉川 英治
Leggi 私本太平記 (しほんたいへいき) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 126.598 caratteri · 254 schermate
手持ちの兵は少ないし、よしんば、兵力があったにせよ、散所ノ太夫を相手とすれば、たちまち、合戦の端となる。
公卿のうごき、寺院の呼応、そうなれば、一切は予測しがたい。――また当然、六波羅探題の指令もなければ、出来うる芸でもないのだった。
「この上はただ、主脳の御決断を待つばかり……」
鬼六は、毎日のような地だんだのうちに、六波羅の指示を仰いで待った。――日ならずして、早馬は帰って来た。が、意外にも、
「すぐ引揚げよ」
という指令である。
「――北条殿の御方針として、地方の紛争などは、何事によらず、事を大きくすな、とのおさしず。……されば、日野朝臣の追跡も、ひとまず打ち切り、当所にて捕えた散所民なども、みな解き放ッて、さっそく兵を戻せとの令でおざる」
伝令のこんな口上は、鬼六としては、意外だし、心外でもあったようだ。けれど、彼が河内へ出ているあいだに、従来の強硬な六波羅的な武断主義が、鎌倉の方針によって大きく修正され、同時に、探題以下の大更迭が、近々に行われよう、という噂なども、やがては彼も、後になって耳にしたことではあった。
とにかく。
その代りには、本庄鬼六も、収拾のつかない泥沼から、救われたような気はしたであろう。