Classici giapponesi con furigana
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しほんたいへいき
私本太平記(七)
吉川 英治
Leggi 私本太平記(七) (しほんたいへいき) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 330.262 caratteri · 662 schermate
しかし、尊氏さまには、かつてまだ鎌倉においでの頃から、河内に楠木氏と呼ぶ御一族のあることを、深くお胸に銘じてはおられました」
「ほ。正成にとって思わぬ知己というものだの」
「一つには、私が、かの笠置の戦雲いらい、御領下の民情は申すにおよばず、失礼ながら、正成どのと申すお方の人となりや御一族の内状までを、つぶさに探ッては主君の許へ密報していたことにもよりまする。……が、主君尊氏がお心の底からあなた様に惹かれ出したのは、千早の御籠城百七十日のたたかいを、遠くにいて、見ておられた頃からのことにございまする」
「…………」
「やがてまた、世は建武となって、わが殿もあなた様も、ひとつ都の内の朝臣として、朝に仕える日となりましてからも、折にふれ、事にふれ、あなた様の御名は、ままよう主君のおくちから常に伺っておりました」
「介どの」
「は」
「ご用向きの要旨をさきに伺おう。このたび、さように姿を変えて、お辺がこれへ忍んで来られた事の仔細は」
「もちろん、主君尊氏のお胸をそのままうけたまわって、筑紫の御陣から差向けられて参った次第にござりまする」
「ム。それはまた、いかなるお胸をあずかって?」