Classici giapponesi con furigana
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しほんたいへいき
私本太平記(七)
吉川 英治
Leggi 私本太平記(七) (しほんたいへいき) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 330.262 caratteri · 662 schermate
と、山吹の黄に染まった平たい石にこしをおろした。
「どうしてですの?」と、卯木もそこへうずくまりながら、追い打ちをかけて「……どうして、赤鶴さま、そんなお望みを持ったのですか。おやかた様のどこがそんなに?」
「いや、おわかりはいただけますまい。しごくありふれた世間なみのお顔といってよろしいのでな。……けれどさき頃ふと、手の鑿も不作法も忘れて見入られ申しまいたのじゃ。……めッたにあるまじきふしぎな御人相をお顔の一枚下のお顔にたたえておられる。赤鶴の目だけがそれを見つけだしたと思うてくだされい。とにかく、異相とは見えぬが一種の御異相」
「それを、もっとくわしく、わかるように、仰っしゃってはくださいませぬか」
「さあ? のう……」と、目も眉もひとつにふさいで。
「ゆたかな、慈悲のおん相にはちがいない。けれど阿修羅もおよばぬすさまじい剣気を眸に持っておいでられる。したがその猛も貪婪な五欲には組み合わず、唇と歯には智恵をかみわけ、鼻、ひたいに女性のような柔和と小心と、迷いのふかい凡相をさえお持ちであらっしゃる。卑賤の親とは慕われようが、決して貴人の相とは申されぬ」