Classici giapponesi con furigana
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しほんたいへいき
私本太平記(三)
吉川 英治
Leggi 私本太平記(三) (しほんたいへいき) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 222.108 caratteri · 446 schermate
が。ここは金剛山の八合目だ。なんの轟きか、山は毎日、鳴っていた。
金剛山の上に近い小部落は古くからあったらしい。
“茅屋”の名が古く、千剣破は当時の宛字である。後々まで“千早”がひろく通っている。
谷、深きこと、東百丈、西七十五丈、南北もまた嶮し。
ただ東南の間に、ほそき一径の坂路を見るのみ。元弘の年、廷尉正成のおこす所にして、南河内十七城の根城となす。〔河内志〕
毎日毎日、雲の中に聞えるとどろな山鳴りは、すなわちこの砦造りのためだった。
地相は、ひと目にも、
不落の嶮
と、うなずかれる。
ここに、正成はいつのまにか縄取りしていた。
それも麓の赤坂に、湯浅定仏の軍が入りこんでいた間は、彼も姿を見せず、土木も中絶されていたが、さきごろその湯浅勢を追い出して、元の赤坂城を奪回するやいな、急速にまた工を起し出していたのである。そして、五月に入っては、いよいよその築城も目に見えてすすんでいた。
時々、四山のしじまを破ッて、大石が谷へころげ落ちてゆく。巨木が伐り仆され、その樹間から、はや組み上げられている丸木作りの城楼の一部が見える。
「おおういっ」
どこかで、さっきから、上へどなっている者があった。