Classici giapponesi con furigana
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しほんたいへいき
私本太平記(五)
吉川 英治
Leggi 私本太平記(五) (しほんたいへいき) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 252.330 caratteri · 505 schermate
かわいそうに、隅の方で寝こんでいるあの十五、六の子供までがそうなんですからな」
おやじは気づよくなった。牢中のあらましが、楮幣拒否罪だったのだ。
いや、もっと彼を驚かせた一事がある。牢には、一羽の雀も入っていた。――ぴらっと何か飛ぶものがあったので、ふと目で追うと、隅で寝ている浮浪児のような汚い少年の姿に止まり、そしてチュン、チュンと、二た声三声、少年の肩や寝顔をめぐッて弾んでいるのである。
だが、少年はぐッすり寝こんでいて目醒めもしない。そのうちにこっちは話がはずんでいた。河原に、楮幣を皮肉った落首を立てて捕まった法師だの、楮幣で洟をかンだことが知れて引っ張られた遊女だの、どうせ罪は軽いと信じているのか、割合にみな陽気なのである。
ところがその夕、たいへんなことが牢外の噂に流れた。――殿ノ法印の献言で、新政府では、発行早々とかく市民の間で軽侮されている楮幣の流用と絶対価をここで徹底させるため、楮幣拒否のかどで捕えた入牢中の者をみな、見せしめのため、六条河原で首斬れと、ここの庁へ達してきたというのである。
――牢中はみな色を失った。
「どうしてだろう?」