Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

ja-reading.com

Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.

ほどよいひと

程よい人

豊島 与志雄

Leggi 程よい人 (ほどよいひと) di 豊島 与志雄 (とよしまよしお) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 10.328 caratteri · 21 schermate

Aozora Bunko

そこで、借金を申し込んだのであるが、たいてい成功した。ただ、金額の点で、一万円が七八千円に値切られたことは往々ある。

有数の大会社なので、同僚も多く、後には私の手に集まった金も十万円に達した。然し、私は返済の期日を後らしたことは決してない。期間を厳守することが、信用を得る基礎なのだ。各個人から秘密に融通して貰ったとは言え、どうかした拍子に、他へ洩れないとは限らない。然し、期限を厳守しておりさえすれば、信用を害うことはない。その上、暫く期間を置いて、同一人から再度の借金も出来るのである。約束の期日になると、私は返済金にピース十個ぐらいは添えた。同僚の仲だし、利息を出そうとしても取りはすまいし、謝礼に煙草十個など、まあ程好いところだろう。

私の見当では、借金の全額はもっと殖すことが出来た。然し十万円程度に止めた。図に乗ってはいけないと、自ら手控えたのである。つまり、私としては、程よく自分の分を守ったつもりである。

右のような借金政策を私に示唆したのは、黒川増太郎である。

戦争中、内地部隊で、彼は私の部下だった。私の方がだいぶ年下であるが、私は主計少尉になっていたし、彼はまだ准尉だった。