Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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あきや

空家

宮崎 湖処子

Leggi 空家 (あきや) di 宮崎 湖処子 (みやざきこしょし) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 15.554 caratteri · 30 schermate

Aozora Bunko

その逸事のすでに尽くるころは、阿園の耳も勇蔵に厭き、今は佐太郎いねば留守を守る心地し、佐太郎もまた阿園の顔を離れては、己が家も逆旅のごとく寂しく覚えぬ、

村人はようやくこの謹直者を怪しめり、口さがなき女房らも、チラホラ寡婦の風説を伝え、佐太郎が夜々阿園の家に住むと言うものさえありき、されば意地汚なき穴さがし、情人なき嫌われ者らは、両個の密事を看出して吹聴せんものと、夜々佐太郎が跡をつけ、夜遊びの壮年らも往き還りにこの家の様子を窺いぬ、かくして一週間も経たれども、何の怪しきこともなく、彼はただ戦場の譚、浮世話を阿園に語り聞かせ、夜更くればその家に帰り、かつて午夜過ぐるまでいたることなければ、果ては彼らも心に恥じて口を閉じ、怪しき風評もやや薄らぎぬ、

早や四十九日となりぬ、四十九日短く暮れて明くれば五十日、いよいよ忌の満つる日となれば、阿園がこの家におることも今は一日一夜となりぬ、この家よ、この家はげに阿園がためには幸いなかりし、彼はこの春の始めにこの家に嫁ぎ、暮に夫に別れしなり、夫が遠征の百日間は、彼は空しく空閨を守りたりしが、夫を待ち得しと思いし日より、なお五十日の間、寂しき夜を怨み明かし、なお幾夜かくあるべくありしなり、阿園には夫婦の睦みいまだ尽きず、閨の温味いまだに冷えず、恋の夢ただ見初め