Classici giapponesi con furigana
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きょうそう
競漕
久米 正雄
Leggi 競漕 (きょうそう) di 久米 正雄 (くめまさお) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 16.312 caratteri · 34 schermate
そして津島はまだ会ったことがないのだが、行って二人で攻めたら大抵承知するだろうと言うので、すぐ久野のいる追分の素人下宿へ行った。
久野はその時、彼の言葉通りに彼の第三番目の習作で、かなり大きな戯曲に取りかかっていた。机の上には二人の来たのを見て、急いで隠くした原稿紙が書物の下からはみ出していた。ちょっとした学生同志の挨拶が済むと、窪田はちらと机の上に目をやりながら、まだ何用でこの二人が来たのかを推測しかねている久野にいきなり言いかけた。
「実はねえ。短艇の選手が急に一人足りなくなったんで、君にちょっと舵を曳いてもらいたいんだが、出てくれないかい。ほんとに困ったんだ」
久野は用事の意外なのに少し驚いたらしかったが、日焼けのした窪田の顔をそっと微笑みながら見上げて言った。
「出し抜けに妙なことを持ち込んだものだね。しかし僕を引っ張り出さなくたって、ほかにまだあるだろう。僕なんぞ駄目だよ」
「ところがほかにないから君んところへ来たんだ。今もこの津島君のところへ行ったら、論文と結婚で忙しくていけないと言うんだ。それで二人で君しかないと決議して、わざわざ勧誘に来たんだ。