Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ちくせい

竹青

太宰 治

Leggi 竹青 (ちくせい) di Dazai Osamu (太宰 治) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 10.978 caratteri · 22 schermate

Aozora Bunko

、東洋のヴェニス一眸の中に収り、「わが郷関何れの処ぞ是なる、煙波江上、人をして愁えしむ」と魚容は、うっとり呟いた時、竹青は振りかえって、

「さあ、もう家へまいりました。」と漢水の小さな孤洲の上で悠然と輪を描きながら言った。魚容も真似して大きく輪を描いて飛びながら、脚下の孤洲を見ると、緑楊水にひたり若草烟るが如き一隅にお人形の住家みたいな可憐な美しい楼舎があって、いましもその家の中から召使いらしき者五、六人、走り出て空を仰ぎ、手を振って魚容たちを歓迎している様が豆人形のように小さく見えた。竹青は眼で魚容に合図して、翼をすぼめ、一直線にその家めがけて降りて行き、魚容もおくれじと後を追い、二羽、その洲の青草原に降り立ったとたんに、二人は貴公子と麗人、にっこり笑い合って寄り添い、迎えの者に囲まれながらその美しい楼舎にはいった。

竹青に手をひかれて奥の部屋へ行くと、その部屋は暗く、卓上の銀燭は青烟を吐き、垂幕の金糸銀糸は鈍く光って、寝台には赤い小さな机が置かれ、その上に美酒佳肴がならべられて、数刻前から客を待ち顔である。

「まだ、夜が明けぬのか。」魚容は間の抜けた質問を発した。