Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ふんにょうたん

糞尿譚

火野 葦平

Leggi 糞尿譚 (ふんにょうたん) di 火野 葦平 (ひのあしへい) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 51.974 caratteri · 99 schermate

Aozora Bunko

十二になる徳次と、八つになって今年から学校に行くことになった千代子とは父が居なくとも元気に大きくなった。心からの親しみを見せない子供を淋しく思ったけれども、今に、ゆっくりと一緒に暮らすことになる日があると思い、その時こそ心行くまで楽しい生活が味わえると思った。村の誰彼が彼を目して、低能といい、阿呆といい、お人よしといい、全く馬鹿のひとつおぼえ、「長久命の長助」だと、嘲笑して居ることも知って居る。今に見て居れ、という言葉は彼の宗教のごとくなった。工兵隊の作った山道をトラックは古びた体躯をがたつかせながら、下りはじめた。警戒しながら速力をゆるめると、急にさあっと冷たい風が横から頬をうったので、我に返ったように彦太郎が見あげると、亭々と聳える杉林の上は、何時の間にか、いっぱいの黒雲に掩われてのしかかるように暗く、同じように顔をあげた運転手と眼を見合わせ、瓢箪のような顔の沢田が、眉をひそめて口を尖らせたが、ぽつりと、頬にひとつ、来たという沢田の声に命令されたように、さあと大粒の雨が一斉にまっ白く降り出した。石臼をひくように遠くから起って来た雷が、いきなり頭のま上で恐ろしい音を立て、杉林にひとしきりはげしい雨の音を叩きつけた。