Classici giapponesi con furigana
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ふんにょうたん
糞尿譚
火野 葦平
Leggi 糞尿譚 (ふんにょうたん) di 火野 葦平 (ひのあしへい) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 51.974 caratteri · 99 schermate
仕方がないから、不自由ではあるが一人断るより外はあるまいと思ったりした。李聖学が表を通り、旦那さん、行って来ます、と云って去ったあと、小屋の壁にかけた六角時計が九時を打ったのに、運転手はやって来なかった。彦太郎は角の諸式屋に来て、恰度主人が居ったので、店の自転車を借り、二町程離れた唐人川の上流の沢田の家に飛ばした。十分もすると、自転車に乗った彦太郎が同じ道を引っ返して来た。彼は非常に不機嫌な顔をしていた。彼は沢田の給料を上げて来たのだ。みんな話し合いの上だったと気がついたのだが、彼は自分の事業の崩壊することを何より恐れ、彼等の言い分を悉く入れたが、なに、今しばらくの辛抱だと思った。自転車を返し、トラック小屋に帰って来ると、焼酎をまた湯呑茶碗に一杯飲んだ。暗かった空は次第に南の空から晴れて来て、外は明かるくなった。しばらく茫然としたように坐っていると、すみませんでした、と声をかけて勢よく沢田がやって来た。ああ、と彦太郎が放心したように答えると、なんだ、こりゃ、誰がこんないたずら書をしやがったか、と、トラックの文字を読みかけたが、ふと声をひっこめ、くすりと笑って、なに、エボオツトヒノカバと反対から読んで、なんのことか、子供が習字の稽古でもしたんだろう、仕様がない、と口を尖らせ、一人でぶつぶつ云いながら、雑巾