Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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こうもうけいせい

紅毛傾城

小栗 虫太郎

Leggi 紅毛傾城 (こうもうけいせい) di 小栗 虫太郎 (おぐりむしたろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 25.403 caratteri · 50 schermate

Aozora Bunko

したが私は、誓って終局の鍵が、ベーリング島にあると思うのです。そして、ベーリングの空骸に印された遺書を見るまでは、なんで黄金郷の夢が捨てられましょうぞ」

「おお、それでは……それでは、これからベーリング島へ行くのでございますか」

とフローラは、たまらず不安と寂寥に駆られて、低く声を震わせた。

しかし、同時に彼女は、何事かを悟ったと見え、全身がワナワナとおののきだした。というのは、いま紅琴に説かれた黄金郷の正体が、ついぞ先刻、自分の頭上を飾った、後光と同じ理論に落ちたからである。

それが、いわゆる仏の御光(露が鏡面のように働いて、草の葉の面に太陽の像を現わし、また、その像が光源となり光線が逆もどりして、太陽のあるほうの側に、像ができる。そして、人の眼が、この像のできたところにあれば、露の中から、光を放っているように見えるのだ)――露に映した、自分の頭上に光輪が輝くことは、だれ一人知らぬ者とてない、普遍の道理ではないか。

すると、再びあの苦悩が、しんしんと舞いもどってきて、彼女は、深い畏怖に打たれた声で叫んだ。

こうして、尽きせぬ名残りと殺害者の謎――またフローラにとると、父ステツレルの妖怪的な出現に疑惑を残し、この片々たる小船が流氷の中を縫い進むことになった。