Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ささめゆき

細雪

谷崎 潤一郎

Leggi 細雪 (ささめゆき) di 谷崎 潤一郎 (たにざきじゅんいちろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 194.628 caratteri · 371 schermate

Aozora Bunko

のが五時ちょっと前頃であった。

この家は表門と裏門とが別の街路に面しているので、幸子はその足で運動かたがた裏から表へ一と廻りして、今日はベルが利かないために開け放しにしてある表門を這入り、玄関の前から直ぐ庭の方へ歩いて行くと、

「奥さん、―――」

と、その時又シュトルツ夫人が金網の垣から首を出した。

「エツコさんの学校、大丈夫でした。あなた安心ですね」

「ありがとございます。悦子の方は無事でしたけれど、妹の方がえらい心配なのです。わたしの旦那さん、今迎えに行っているのですけれど、………」

幸子はそこでシュトルツ夫人に分るような云い方で、もう一遍庄吉に語ったと同じことを語った。

「おお、そう、―――」

シュトルツ夫人は眉を顰めてチュッ、チュッと舌打ちをしながら、

「あなたの心配、わたし分ります。わたし、あなたに同情します」

「ありがとございます。そして、奥さんのところの旦那さんは?」

「わたしの旦那さん、まだ帰って来ません、わたし大変心配です」

「まあ、そんならほんとうに神戸へいらしったのでしょうか」

「わたしそう思います。―――しかし神戸も水出ました。灘も、六甲も、大石川も、皆水、水、水。