Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ぜっけいばんこくはくらんかい

絶景万国博覧会

小栗 虫太郎

Leggi 絶景万国博覧会 (ぜっけいばんこくはくらんかい) di 小栗 虫太郎 (おぐりむしたろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 15.752 caratteri · 31 schermate

Aozora Bunko

全く、工阪杉江と云う婦人には、寧ろ女好みのする魅力があった。年齢はまだ三十に届いたか、届かぬ位であろうが色白の細面に背の高いすらりとした瘠形で、刻明な鼻筋には、何処か近付き難い険があるけれども、寮に来てからと云うものは、銀杏返しを結い出して、それが幾分、理性の鋭さを緩和しているように思われた。然し、そう云った年配婦人の、淋し気な沈着と云うものは、また光子ぐらいの年頃にとると、こよなく力強いものに相違なかった。そして、次第にその二人の間は、師弟とも母子ともつかぬ、異様な愛着で結ばれて行ったのであるが、然しその時だけは、杉江の口の端に焦り焦りしたものが現われ待ち兼ねたように腰を浮していた。

「光子さん、先刻からお祖母さまがお呼び立てで御座いますのよ。いつものお雛様をお飾りになったとかで。いいえ、行かないでは私が済みません。あのお祖母さまがおむずかりにでもなったら、それこそで御座いますよ」

と叱るようにして促がすと、あんな妙なお雛様って――と一端は光子が、邪気なく頬を膨らませてすねてはみたが、案外従順に、連れられるまま祖母の室に赴いた。お筆が住んでいるのは、本屋とは回廊で連なっている離れであって、その薄暗い二階に、好んで起き臥しているのだった。