Classici giapponesi con furigana
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ままこ
継子
夢野 久作
Leggi 継子 (ままこ) di 夢野 久作 (ゆめのきゅうさく) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 12.364 caratteri · 25 schermate
その屍体の背中の下から黒い血がムルムルと流れ出して高価な露西亜絨氈の花模様の上を浸み込んでは流れ、流れては浸み込みして大きな花ビラのように拡がってゆく。
そのほかには誰も居ない。
玲子はもうハアハアと息を切らして眼が眩んだようになっていた。髪の毛が一本一本に逆立って、身体中がガタガタと音を立てそうになるのをジッと我慢しながら、その惨死体がたしかに母親の竜子に違いないことを見定めると、玲子は思わずハッと飛上った。
「お母さまッ……」
と叫んで走り寄って、血だらけの胸に縋りついてワッとばかりに泣き伏した……。
……と思ったがかの時遅くこの時早く、玲子はその屍体の一歩手前で、背後からシッカリと抱き止められていた。
そう気がついた玲子は、全身の血が一時にピッタリと冷え凍ったように思った。抱き止められたまま、またも石のように固くなって、手足を縮み込ませていた。その時に背後から抱き止めた人が声をかけた。それは静かな優しい声であった。
「玲子さん。屍体に触っちゃいけません。もうジキ警察の人が来ますから……」
「アラッ……中林先生……」
そう叫ぶと同時に玲子は緩んだ中林先生の腕の中でクルリと向き直って制服姿の胸に顔を埋めた。