Classici giapponesi con furigana
ja-reading.com
Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.
かいだんいちやぞうし
綺堂随筆 江戸のことば
岡本 綺堂
Leggi 綺堂随筆 江戸のことば (かいだんいちやぞうし) di 岡本 綺堂 (おかもときどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 13.152 caratteri · 27 schermate
一方は高台で、近所には森が多いので、若葉の茂っているこの頃は、月夜でもずいぶん暗いのですから、こんな晩は猶更のことでございます。
浅井さんの家には十人ばかりの若い衆があつまりました。なにしろ親子ふたりの男世帯で、女の手がないのですから、こんな時にはお給仕にも困ります。そこで、近所のお豊さんお角さんという娘ふたりが手伝いを頼まれまして、ゆうべも今夜も詰めていました。お料理は近所の仕出し屋から取り寄せたのですが、それでも十人からのお客ですから、お座敷と台所とを掛け持ちで、お豊さんもお角さんもなかなか忙がしかったのです。
若い人達ばかりが集まったのですから、今夜は猶さら賑やかで、だんだんお酒が廻るにつれて、陽気な笑い声が表までも聞こえました。そのうちに主人の浅井さんがこんなことを言い出しました。
「月日は早いもので、わたしがここへ来てから足かけ八年になる。世間の噂では、ここの家には何かの祟りがあるという。それを承知で引き移って来たのであるが、その後に一度も怪しいことはなかった。わたしも忰もこれという病気に罹ったこともなく、災難に出逢ったこともなく、無事に年月を送って来た上に、今度は測らずも元の主人の屋敷へ帰参が叶うようになった。